「JBICのような銀行が、AG&P社のLNGターミナルのような破壊的な事業に資金を提供することは、私たちのような漁民の生計手段の喪失に資金を提供することと同じです。私たちは、JBICがこの調査を徹底して行ってくれることを信じています。私たちとしては、ヴェルデ島海峡の漁民とコミュニティに正義がもたらされるよう、注意深く見守っていきます」
「私たちヴェルデ島海峡の漁民は、非常に困難な生活を強いられています。私たちは助けを求めて叫んでいます。漁獲高の減少に加え、化石燃料ガス事業があちこちで立ち上がり、人びとの健康にとって危険な非常に汚染度の高いガスを排出し、ヴェルデ島海峡を汚染しています」
商業運転が始まる前から、AG&Pのリンシード輸入ターミナルの影響はすでに悪名高いものでした。
2022年に実施された調査では、ガス施設建設現場付近の水中から、リン酸塩、クロム、銅、鉛などの重金属を含む汚染物質が憂慮すべき高レベルで検出されました。この地域の魚類の生物量は依然として高いものの、海洋生物の多様性と魚類の個体数は、ヴェルデ島海峡の他の地域と比べて減少しています。2024年、フィリピンの控訴裁判所は、Protect VIP(ヴェルデ島海峡を守ろう)、エネルギー・エコロジー・開発センター(CEED)、バタンガス漁民連合(Bukluran ng Mangingisda ng Batangas: BMB)などの団体による、職務執行令状の継続に関する申立てについて判決を下しました。控訴裁判所は、フィリピン環境天然資源省に対して、水質浄化法に基づき、ヴェルデ島海峡において環境基準が未達成となっている地域の指定に関するガイドラインを発行し、すでに高レベルの汚染物質が検出されている場所での新たな汚染源の発生を防止するよう促しました。
バタンガス漁民連合とProtect VIPネットワークの漁民リーダーたちは、問題の責任を追求する決意を固め、2023年12月にJBICに異議を申し立てました。この異議申立ては、AG&P社がフィリピンの国内法を遵守しているかをJBICがモニタリングしなかったこと、JBIC自身のガイドラインに基づいて事業の環境カテゴリを適切に分類しなかったこと、そしてJBICのガイドラインで定められた対応をJBICが取らなかったことに関連しています。