「私たちのコミュニティには、愛情深く寛大な人びとが暮らしています。私たちはすべての人が大切にされることを望んでいます。この事業は私たちを大切にするものではなく、私たちが必要とするものでもありません。代替案はあります。それを追求すべきです」
「とてもシンプルな話です。私たちは今持っているもの以上を望んでいるわけではありません。ただ、私たちのものを守りたいだけなのです」
JBIC融資のLNGカナダ事業のために、ランドディフェンダー(土地擁護者)たちは武装暴力に直面しています。パイプラインへの主要出資者であるKKR社は、ニューヨークに拠点を置くプライベート・エクイティ会社(未公開株式投資会社)で、かつて米軍司令官を務めたデビッド・ペトレイアス退役陸軍大将によって経営されています。ペトレイアス氏は石油やガスなどの事業で「リスクを制圧すること(neutralize risks)」を主張しています。彼の現場マニュアルはイラクやアフガニスタンで使用され、そして今では先住民族ウェトスウェッテンの土地で使われています。
カナダ政府当局者は、ウェトスウェッテンなどのランドディフェンダーたちが平和的に自分たちの土地を占拠していることに対して、武装した警察部隊が複数回の襲撃を行うことを許可しました。その過程で、ランドディフェンダーやジャーナリストが不当逮捕され、Dsta’hyl酋長もその一人となりました。小屋のドアはチェーンソーで破壊され、人びとは割れたガラスの上を引きずられ、銃口を向けられた等と報告されています。武装暴力は記録されており、受賞歴もあるドキュメンタリー映画『YINTAH』でも取り上げられています。