「雨が降ったら、孫たちを外で遊ばせないようにしています。隣人が皮膚病を発症しており怖いです。影響が目に見えにくいので、補償を求めるのは難しいのが実態です。事業による大気汚染がないか調査し、作物や健康への影響が検証されるべきです。」
中スラウェシ州ウソ村でLNGの生産が始まった2015年以来、ドンギ・スノロLNG事業地から半径1キロメートルにわたる沿岸海域は立入禁止区域とされています。こうした制限と事業地から発せられる光が広範囲に及んでいることから、現地の漁業活動に大きな影響が及んでいます。漁師たちの中には、はるかに遠い漁場まで出かけるため、相当高い燃料費をかけなければならず、純益が大幅に落ち込んでいる例も見られます。
このLNG事業の悪影響を受けているのは漁師だけに留まりません。ウソ村の農家は、ココヤシ、バナナ、トウガラシ、トウモロコシなどの農作物に依存してきましたが、収穫の減少や実が以前の大きさまで育たないといった経験をしています。農業へのこうした悪影響は、LNG施設による環境負荷によってさらに深刻化し、地域コミュニティの生活をさらに低下させています。
当初、この事業はウソ村が北米並みの発展を遂げ、生活水準が向上することを約束していました。しかし、現実はまったく異なっており、現地の住民は約束が守られず、無視されていると感じており、この問題を何とかしたいと考えています。