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「孫たちを外で遊ばせることはしません。」
JBICによる融資額
10.76億米ドル
ドンギ・スノロLNG事業(インドネシア)
WALHI Central Sulawesi / FoE Japan
WALHI Central Sulawesi / FoE Japan
概要
  • ドンギ・スノロLNG事業は、インドネシア中スラウェシ州で進められており、2015年6月から稼働しています。総投資額は29億米ドルと推定されています。
  • JBICはこの事業に対してプロジェクトファイナンスを通じて最大7.63億米ドルの融資を行い、さらに、事業最大の出資者である三菱商事に対して総額3.137億米ドルの融資も行っています。
  • ガスはスノロ・トイリおよびマティンドックのガス田から供給され、LNGの大部分は日本と韓国に輸出されています。
  • この事業は2015年6月にLNG生産を開始し、60%以上が日本の電力会社によって購入されています。
批判
  • 沿岸でのアクセスが制限され、現地の漁師の漁業機会を減少させている
  • 環境被害をもたらし、地元の農作物の収穫量や品質の低下を引き起こしている
  • 現地コミュニティに対して生活の質を向上させるという偽りの約束をした
  • ドンギ・スノロLNG事業地の半径1キロメートル以内およびLNGタンカーの航路の海域での漁業と通行を禁止している
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WALHI Central Sulawesi / FoE Japan

「雨が降ったら、孫たちを外で遊ばせないようにしています。隣人が皮膚病を発症しており怖いです。影響が目に見えにくいので、補償を求めるのは難しいのが実態です。事業による大気汚染がないか調査し、作物や健康への影響が検証されるべきです。」

ウソ村のある住民
ドンギ・スノロLNG事業地と漁業の立入禁止区域を示す浮標
ドンギ・スノロLNG事業による悪影響は漁業に対してだけではなく、バナナなどの農作物にも及んでいる
約束が破られたとき

中スラウェシ州ウソ村でLNGの生産が始まった2015年以来、ドンギ・スノロLNG事業地から半径1キロメートルにわたる沿岸海域は立入禁止区域とされています。こうした制限と事業地から発せられる光が広範囲に及んでいることから、現地の漁業活動に大きな影響が及んでいます。漁師たちの中には、はるかに遠い漁場まで出かけるため、相当高い燃料費をかけなければならず、純益が大幅に落ち込んでいる例も見られます。

このLNG事業の悪影響を受けているのは漁師だけに留まりません。ウソ村の農家は、ココヤシ、バナナ、トウガラシ、トウモロコシなどの農作物に依存してきましたが、収穫の減少や実が以前の大きさまで育たないといった経験をしています。農業へのこうした悪影響は、LNG施設による環境負荷によってさらに深刻化し、地域コミュニティの生活をさらに低下させています。

当初、この事業はウソ村が北米並みの発展を遂げ、生活水準が向上することを約束していました。しかし、現実はまったく異なっており、現地の住民は約束が守られず、無視されていると感じており、この問題を何とかしたいと考えています。